現在ではネットショップを中心に実に多くの素材で印鑑が売られています。
昔からの定番である象牙や黒水牛・オランダ水牛・柘以外にも
*カラフルなラクト・アクリル系の印鑑
*良質な木材入手が困難になってきたという理由で新たに木材を薄くスライスしてそれを張り合わせた印材(アグニや彩樺など)
など多彩にわたります。
そして実印や銀行印は使用する人の人生に大きな影響を及ぼす場面で使われることから、運勢が良くなることを願った宝石印鑑もあります。
各素材ごとに内なる神秘パワーを持っていることからこの宝石印鑑はパワーストーンとも呼ばれて多くの人が注目している素材です。
あたかも印鑑には魔力があるかのような雰囲気になってしまっていますが、この宝石印鑑は言い換えれば「石」ですよね。
実はこの「石」が問題なのです。
石といえば硬いです。
印鑑の素材としては硬さはとても重要な要素になるのは事実です。
しかし残念なことに石は印鑑の材料としては硬すぎます。
「硬い」という長所の反対側には「もろい」という致命的な短所があるということを心にとどめておいてください。
「硬すぎてもろい」ということは大切な印面を何らかの事情(例えば不注意で落としてしまったなど)で欠けてしまうという事態を招くこともあるでしょう。
このために美しい輝き・素材ごとに秘めた神秘パワーをもった宝石で作成された印鑑は実印登録を認めていない自治体もたくさんあります。
どうかこのことを覚えておいていただければ幸いです。
せっかく奮発して作成した印鑑も役所から登録拒否されたのではなんにもなりません。
昔からあるはんこ屋さんはこのことをしっかり理解しているために決して売らないということはありませんが売りたがらないという部分もあります。
当然です、自信を持って彫り上げた印鑑が素材の特性上の理由で
*印面が欠けた
*印鑑登録ができない
という事態を引き起こされたのでは悲しすぎます。
宝石印鑑の持つ神秘的なパワーを否定しているわけではありません。
ただ印鑑の材料としては不適ということです。
私もスピリチュアル的なことは嫌いではありません(はっきり申し上げて好きなほうです)。
神秘パワーを身近に感じたいのであれば単独で所有されるとかアクセサリーとして身につけるなどが良いのではないでしょうか。
宝石印鑑を作成される方は特に印面を守るということに気を使ってくださいね。